◆ごあいさつ |
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◆発刊に寄せて |
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1番 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ…天智天皇 |
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2番 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山…持統天皇 |
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3番 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む…柿本人麻呂 |
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4番 田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ…山部赤人 |
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5番 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき…猿丸大夫 |
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6番 鵲の 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける…中納言家持 |
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7番 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも…阿倍仲麿 |
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8番 わが庵は 都の辰巳 しかぞ住む 世をうぢ山と ひとはいふなり…喜撰法師 |
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9番 花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに…小野小町 |
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10番 これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも あふ坂の関…蟬丸 |
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11番 わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟…参議篁 |
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12番 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ…僧正遍昭 |
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13番 筑波嶺の 峰より落つる みなの川 恋ぞ積もりて 淵となりぬる…陽成院 |
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14番 陸奥の しのぶもぢずり たれゆゑに 乱れそめにし われならなくに…河原左大臣 |
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15番 君がため 春の野に出でて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ…光孝天皇 |
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16番 立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む…中納言行平 |
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17番 ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは…在原業平朝臣 |
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18番 住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ…藤原敏行朝臣 |
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19番 難波潟 短き蘆の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや…伊勢 |
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20番 わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ…元良親王 |
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21番 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな…素性法師 |
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22番 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ…文屋康秀 |
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23番 月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど…大江千里 |
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24番 このたびは 幣も取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに…菅家 |
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25番 名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで 来るよしもがな…三条右大臣 |
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26番 小倉山 峰の紅葉葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ…貞信公 |
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27番 みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ…中納言兼輔 |
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28番 山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば…源宗于朝臣 |
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29番 こころあてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花…凡河内躬恒 |
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30番 有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし…壬生忠岑 |
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31番 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪…坂上是則 |
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32番 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり…春道列樹 |
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33番 ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ…紀友則 |
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34番 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに…藤原興風 |
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35番 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける…紀貫之 |
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36番 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ…清原深養父 |
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37番 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける…文屋朝康 |
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38番 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな…右近 |
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39番 浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか 人の恋しき…参議等 |
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40番 忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで…平兼盛 |
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41番 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか…壬生忠見 |
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42番 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは…清原元輔 |
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43番 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり…権中納言敦忠 |
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44番 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし…中納言朝忠 |
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45番 あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな…謙徳公 |
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46番 由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋のみちかな…曾禰好忠 |
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47番 八重むぐら 茂れる宿の 寂しきに 人こそ見えね 秋は来にけり…恵慶法師 |
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48番 風をいたみ 岩打つ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな…源重之 |
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49番 御垣守 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ…大中臣能宣朝臣 |
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50番 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな…藤原義孝 |
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51番 かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを…藤原実方朝臣 |
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52番 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな…藤原道信朝臣 |
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53番 歎きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る…右大将道綱母 |
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54番 忘れじの ゆく末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな…儀同三司母 |
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55番 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ…大納言公任 |
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56番 あらざらむ この世のほかの 思ひ出でに いまひとたびの 逢ふこともがな…和泉式部 |
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57番 めぐり逢ひて 見しやそれとも 分かぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな…紫式部 |
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58番 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする…大弐三位 |
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59番 やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな…赤染衛門 |
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60番 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立…小式部内侍 |
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61番 いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に 匂ひぬるかな…伊勢大輔 |
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62番 夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関は許さじ…清少納言 |
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63番 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな…左京大夫道雅 |
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64番 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木…権中納言定頼 |
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65番 恨みわび 干さぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ…相模 |
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66番 もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし…前大僧正行尊 |
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67番 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなくたたむ 名こそ惜しけれ…周防内侍 |
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68番 心にも あらで憂き世に 長らへば 恋しかるべき 夜半の月かな…三条院 |
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69番 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり…能因法師 |
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70番 寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮れ…良暹法師 |
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71番 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろ屋に 秋風ぞ吹く…大納言経信 |
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72番 音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ…祐子内親王家紀伊 |
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73番 高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ…前権中納言匡房 |
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74番 憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ 激しかれとは 祈らぬものを…源俊頼朝臣 |
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75番 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり…藤原基俊 |
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76番 わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波…法性寺入道前関白太政大臣 |
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77番 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ…崇徳院 |
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78番 淡路島 通ふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守…源兼昌 |
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79番 秋風に たなびく雲の たえ間より 漏れ出づる月の 影のさやけさ…左京大夫顕輔 |
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80番 ながからむ 心も知らず 黒髪の 乱れてけさは ものをこそ思へ…待賢門院堀河 |
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81番 ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる…後徳大寺左大臣 |
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82番 思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり…道因法師 |
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83番 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる…皇太后宮大夫俊成 |
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84番 長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき…藤原清輔朝臣 |
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85番 夜もすがら もの思ふころは 明けやらぬ ねやのひまさへ つれなかりけり…俊恵法師 |
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86番 嘆けとて 月やはものを 思はする かこちがほなる わが涙かな…西行法師 |
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87番 村雨の 露もまだ干ぬ まきの葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮…寂蓮法師 |
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88番 難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ 身を尽くしてや 恋ひわたるべき…皇嘉門院別当 |
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89番 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする…式子内親王 |
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90番 見せばやな 雄島の海人の 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変らず…殷富門院大輔 |
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91番 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む…後京極摂政前太政大臣 |
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92番 わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし…二条院讃岐 |
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93番 世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ 海人の小舟の 綱手かなしも…鎌倉右大臣 |
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94番 み吉野の 山の秋風 さよ更けて ふるさと寒く 衣打つなり…参議雅経 |
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95番 おほけなく 憂き世の民に おほふかな わが立つ杣に すみ染めの袖…前大僧正慈円 |
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96番 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり…入道前太政大臣 |
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97番 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ…権中納言定家 |
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